自己株式を取得する
1 株式を償却して、発行済み株式を減らしたい
① 償却の前提に自己株式取得する必要性
すでに会社が発行している株式を減らしたい場合も発生します。例えば、株主が株式を手放す事を求めている場合(通常の中小企業株式は転売しづらい)や、管理をしやすくするために株式を減らしたい場合などがあるでしょう。
このようなケースにおいて、原状の会社法では、まず一旦会社が自社の株式(自己株式)を取得してから、会社内で償却手続を行う必要があります。
かつての商法のように、株主が持っている株式を強制かつ直接に償却することは出来ません。また、原則禁止だった自己株式の保有(金庫株)も解かれました。
① 非上場株式の相続における問題点
多くの中小企業のような非上場株式の場合、流通性が乏しく、いざというときに他者に買取ってもらうことも難しいものです。
一方で、業績の良い中小企業では、株価が高く評価され、多額の相続税がかかります。相続税は高いものの、株式を現金化することが出来ないというジレンマに陥ってしまうこともあるのです。
② 自己株式の取得による納税対策
上記のような問題に対して、会社に株式を買い取ってもらい、その代金を納税資金とする方法もあります。
3 相続で株式が分散することを防ぎたい
① 株式と相続
株主に相続が発生すると、その所有していた株式は不動産などと同様に相続財産となります。これは、上場株式でも非上場株式でも同じです。
相続財産となるからには、遺産分割の対象となります。例えば、その遺産分割の内容として、「○○会社株式90株は、長男、次男、三男で30株ずつ相続する。」といった合意がなされると、株主の数が増えることになります。
当然、株主の管理を自社で行っている中小企業では、相続人が増えていくと管理の負担が重たくなってきます。
また、相続を通じて会社にとって好ましくない者が株主となってしまうこともあります。
多くの中小企業では、株式の譲渡制限の規定が定款に設けられていますが、これは売買や贈与のような取引をけん制するだけに止まります。相続のような自然発生の場合までは、防ぐことは出来ません。
突然、相続で株式を引継いだ者が経営に口を挟んできて困惑するなどといったケースも考えられます。