自己株式取得の前提を整えたい
3 自己株式取得取得の前提を整えたい
① 自己株式を取得するために
商法が改正され、会社法では自己株式の取得の制限が解除されました(金庫株の解禁)。自己株式とは、会社が自社の株式を保有し、自らが自社の株主になっているという状態です。
会社が自己株式を取得するケースとしては、いくつかのパターンが考えられますが、よくあるのは他の株主から会社が株式を買取るケースです。
この自己株式を買取るためには、株主総会の決議などの要件が設けられていますが、もうひとつ買取るための『財源規制』というものもあります。
自己株式を第三者から買取るということは、会社の資産が外部に流出することを意味しています。そこで、無制限に自己株式を購入することができるとなると、債権者を害してしまうおそれがあるため、自己株式を買取るための資金の制限が法律で決められています。
自己株式の取得の資金も、会社内の余剰金の範囲でのみ可能となっています。
計算は複雑ですが、単純化すると次の式のようになります。
資産 - 負債 - 資本金 = 自己株式取得に使える資金
② 自己株式取得のための前提を減資で整える
上記のとおり、自己株式を取得するためには、会社に余剰金があることが前提となります。もし、資本に欠損が出ていると、自己株式を取得したいと思っても、それは出来ないのです。
そういった場合にも、まず減資をして欠損を消すことで、自己株式を買取るための前提を整えることが出来る場合があるのです。
なお、自己株式の取得で財源規制が関わるケースとしては、下記のような場合が考えられます。
●株主に相続が発生し、定款の規定に基づき会社が買取る場合
●任意の第三者との売買により、会社が自己株式を買取る場合
●株式を償却する前提として、一旦会社が自己株式を買取る場合