決算書の見栄えを改善したい
① 『欠損』という状態とは
「資本に欠損が生じている」といった表現をする場合があります。この『欠損』とは、事業開始時にあった資本金が減ってしまっている状態です。事業を展開したものの、損をしてしまったことにより、当初の資本分にあたる資産が残らなくなってしまったケースです。
例えば、資産が2000万円で、負債が1400万円、資本金1000万円の場合では、400万円の欠損となります。本来あるはずである資本金の1000万円に対して、負債が食い込んでしまっているのです。
別の言い方をすれば、会社を清算するとした場合、株主が残余財産として受取れる額が、当初の出資分より減ってしまっている状態でもあります。
2000万円(資産)-1400万円(負債)=600万円
1000万円(資本金)-600万円=400万円(欠損)
ちなみに、これ以上負債が増加し(もしくは資産が減少し)、資本金を充てても足りなくなってしまった状態が『債務超過』です。
資本に欠損が生じているということは、平たく言えば『赤字』の状態です。
決算書の見栄えも悪くなり、融資を受ける際の金融機関からの評価などにも影響があるでしょう。
欠損は、資本金の額を減らすことによって、消すことができます。欠損の填補などと言います。
上記の例ならば、資本金を1000万円から600万とすることで、欠損状態が解消されます。資産
2000万円に対し、負債1400万+資本金600万円でバランスが取れるようになるのです。
図
③ ポイント
このパターンでの減資手続のポイントを考えてみます。
(あ)普通決議と債権者保護手続
資本金の額を減少させるためには、通常、株主総会の特別決議が要件となりますが、欠損の填補を目的とする場合は、普通決議で足りることになり、要件が緩和されています。
なお、この場合であっても、官報公告等の債権者保護手続は省略することはできません。
(い)株の数は減らない
たとえ、減資の手続を行ったとしても、減るのは資本金の額だけで、発行している株式の数は減りません(=減資をしても株を償却したわけではありません)。