新株を発行して資金調達をしたい
2 新株を発行して資金調達をしたい
自己資本を増やす方法の一つとして、新株を発行する方法があります。
株主総会や取締役会の決議をもって、発行条件や発行する相手などを決定し、原則は金銭の支払いを受けた後に株式を交付することになります。
新株を発行すると、資本金が増加し(場合によっては、資本準備金も)、会社の発行している株式数も増えます。
【新株発行で検討するポイント】
あ)誰に発行するか
主に、既存の株主に発行するか、第三者に株を発行するかがあります。
自己資本は返済義務が無い資金です。株主としてお金を出してもらえる限りは、資金繰りの面では楽になります。
一方で、債務の返済さえしてしまえばいつでも関係を切れる債権者と異なり、経営に口を出されたりと、関係がこじれると面倒なことにもなります。
安易に出資をしたり、されたりするケースも見受けられますが、各人のニーズや相性なども考慮して慎重に決定したいところです。
また、株式のシェアにも常に、気をつけておきたいところです。どれだけの株式を持っているかによって、できる決議が変わってきます。普段は、株主総会などを気にもしていないかもしれませんが、問題が発生して関係が悪化してきたりすると、会社の運命を左右する決定的なポイントとなることもあります。
まずは、「どれぐらい自己資本を増やしたいか」という観点があります。外部環境への対応や自己の財務内容の考え方によって金額は変わってきます。
もう一つは、増えた自己資本をどの項目に計上するか、という点も検討します。
払い込まれた金額を全て資本金とすることもできますが、払い込まれた金額のうち半分だけを資本金に計上し、残りを資本準備金としておくことも可能なのです。
資本金は外部から見られ、信用力につながります。しかし、資本金を増やすと、登記をする際の登録免許税が増えるというような、税務コストが増加する場合があります。
う)いくらで発行するのか
「出資者が出す金額に対し、何株を交付するか」といったポイントです。別の言い方では、「一株をいくらで発行するか」となります。
その都度発行価格が異なってもかまいません。過去に一株5万円で発行したのに、今回の新株発行では一株1万円で発行することもできるのです。また、会社が成長し、自己資本が増加しているならば、過去の発行価格と今回の発行価格が同額の場合、今回の株式はお買得(一株あたりの価値が高くなっている)ということになるのです。
また、一株10万円の価値がある株式を、第三者に5万円で発行するといった場合、状況次第では課税の対象となることも考えられるので、事前に調査をして下さい。
え)発行可能株式の枠の範囲か
新株発行の際には、発行可能株式総数という枠も考えておかなければなりません。例えば、取締役会のある会社ならば、この枠の範囲内なら、原則自由に発行ができます。しかし、この枠の範囲外となる場合は、一旦枠を増やさなければなりません。