現金なしで資本金増加
1 資本金増額のニーズ
資本金を増やす、という必要性や要望が存在します。例えば、フランチャイズに加盟するためとか、入札に参加するためなどのケースがあります。また、資本金を増やして信用力を上げたいという要望もあるでしょう。
今の規則では、資本金は会社の財務内容や信用力を表してはいません。それでも、ある種の資本金信仰のようなものは残っているものです。
2 現物出資で資本金を増やしたい
① 現物出資とは
『現物出資』とは、お金以外の物を会社に対して出資をし、代わりに株式を取得する方法です。通常は現金を出資することが多いのですが、会社と出資者の同意によって『物』を会社に出資することも可能なのです。出資者の資格などはありません。
現物出資の対象となる範囲は相当広く、不動産や車など、譲渡性があって資産として計上できれば特に制限もありません。資本金を増やしたいけれど現金が無いという場合でも、発想を変えてみれば、出資できるものが見つかるかもしれません。
例えば、純粋な物とは言えない『事業』を出資することも可能です。M&Aのような会社の売買の場合も、事業というかたちの無いものを物と見立てることで、値段をつけて、売買の対象としています。同様に、事業を物に見立てて出資することも可能です。
また、『債権』を会社に対して出資することも可能です。例えば、AさんがBさんにお金を貸し付けている場合に、この貸付債権を会社に出資します。するとAさんが会社の株主となり、Bさんの債権者は会社に代わるのです。
なお、会社に対する債権を、その会社に対して出資する場合(デット・エクイティ・スワップ)は、検査役に関する特例などもあり、様々な場面で応用の余地があります。
⇒ 株式の債券化(デット・エクイティ・スワップ)については、こちら