分社化のメリット・デメリット
分社化のメリット(活用法)とデメリットをお伝えいたします。
(分社化のメリット)
- 肥大化の防止
- 成果や責任を明確にできる
- 雇用条件の差をつけられる
- リスクを分散できる
- 事業承継をしやすくできる
- М&Aを成立させやすくなる
- 財務や税務の調整に使える
(分社化のデメリット)
- 分社への労力と費用
- コストの増加
【分社のメリット】
★会社の肥大化を防げる★
会社はよほど意識していないと肥大化してしまいます。
さまざまな事業が社内に存在し、不要な資産が増え、成果につながらない人材を抱えるようになり・・・
結果、組織の生産性が悪くなってしまいます。
肥大化することは、当然よくありません。
分社化で別会社に整理する取り組みは、肥大化を解消する切り口となりえます。
★成果や責任を明確にできる★
同じ会社内に異なる事業が存在していると、成果や責任が見えにくくなってしまいます。
たとえば「自分の部署が稼いでいるのに、その利益をよその部署で使われてしまっている」
こんな状態になり、モチベーションの低下や嫌な雰囲気の充満につながっているケースは多いのではないでしょうか。
内容や性質の異なる事業をそれぞれ別々の会社にしてしまうことで、責任や成果を明確にすることができます。
分社により自分の仕事と会社の距離が近づけば、「自分の会社を支えよう」と、モチベーションだって高まることでしょう。
★雇用条件で差をつけられる★
同一の会社内で従業員の待遇に差をつけることは難しい面があります。
事業別に就業規則を作ることは困難であり、給与体系で差を作ると社内がギスギスしてしまいがちです。
別会社ならば、人材の雇用条件に差をつけることもある意味で当然になります。
★倒産リスクを分散できる(切り離せる)★
一つの会社しかなければ、社内で起きた問題は全社に影響を与えます。
起きてしまったトラブルに対し「うちの部署ではないから」と、言い逃れはできません。
会社の財務状況の悪化だって、すべてに影響します。
たとえ利益をたたき出せる黒字の事業があったとしても、会社本体に足を引っ張られてつぶされてしまう場合もあるでしょう。
分社化させておくことで、いつか本体が財務的に行き詰っても良い部分だけを生き残らせることができるようになります。
なお、同じグループ内や親子関係であったとしても、別会社の負債を支払う義務はありません。
たとえば、100%親会社が破綻したとしても、特別に保証でもしていないかぎり、子会社は親会社の借金等を支払う義務はありません。
★事業承継で活用できる★
分社化は事業承継の場面でも活躍します。
後継者候補が複数いる場合に、会社を分社化してそれぞれの会社の社長に就かせる、といった使い方が考えられます。
また、負債や資産、事業などを「使える部分」と「不要な部分」に分け、使える部分だけで会社を再構成して継がせることもできます。
分社手法の活用で実現可能となります。
後継者の力量からして、先代の経営をそのまま継ぐことが困難なケースは多々あります。
そんなときには分社化を利用し、会社を小分けにしてみてはどうでしょうか。
分社化の活用で後継者が経営できるかたちを作れる場合があります。
★財務や税務の調整に使える★
分社化が、財務や税務にもメリットをもたらす場合もあります。
新設会社の2年間の消費税免税処置があったり、会社間で売上や利益を適正に調整することも出来そうです。
分社化により会社が小型化すれば各種税額軽減策(軽減措置や軽減税率)の活用ができるかもしれません。
財務状況の悪化により資金調達が困難になった会社の場合で、良い部分を別会社として切り出し、その会社で新たな融資や出資を引き出すのも一案となります。
【分社化のデメリット】
もちろん分社はいいことばかりではありません。
分社自体の手間や費用がかかります。
分社後も、会社が増える分だけ管理の手間が増えます。
人件費や税理士手数料などが増える可能性もあります。
また、毎年の法人の住民税なども会社が増える分増えることになるでしょう。
まとめ
経営は、集中させれば効率的になります。
一方でリスクは高まり、小回りが利かなくなります。
こんな構造を天秤にかけて、分社の導入の可否をご検討ください。
奥村にお声がけいただければ、検討段階から協議に参加いたします。
場数を踏んでいる人間、先が見える人間を最初から囲ってしまったほうが、間違いないところでしょう。
【参考】
→奥村への相談・依頼について
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