『M&A・会社売却』×事業承継

M&A、会社売却の時にも会社分割

後継者不在の問題が背景にあってM&Aがブームとなっています。

みなさんのところにも「会社を売却しませんか?」とDMなどが送られてきたことがあるかもしれません。

しかし、いざ売却を決意し動き出したところで、実際に売れる会社はほんの一握りしかないのが現実だったりします。

M&A業者にとっては都合の悪い話であって、彼らの口からはなかなか聞かれない話でしょう。

たくさん案件を集めたうえで「一部分が売れれば十分利益が取れる」というのが彼らのビジネスモデルの正体です。。

 

★M&Aで会社を売りたいならば

 

会社がそう簡単に売れないハードルがいくつかあります。

もし会社分割を活用したならば、そのハードルの一部を乗り越えることができるようになります。

当然、売れる可能性が増えるということでしょう。

 

代表例は、買手としてはM&Aであなたの会社を買い取ることに興味はあるけど、『欲しくない部分』も混在しているケースです。

関心の無い事業だったり、不採算事業だったり・・・。

このような場合「不要なものを含めてまで買い取るのか、否か」という決断を買手は迫られます。

そして、見送られてしまうケースが多いでしょう。

 

ここで『会社分割』です。

会社分割ならば、引き継がせる会社の範囲を任意に調整できます。

相続などと同じ包括承継という性質(良い部分も悪い部分も全部承継する)を 持ちつつ引き継ぐ範囲は任意に決定できるという、会社分割の使いやすい特性のためです。

意味が分かりにくいかもしれませんが、シンプルにこう考えてください。

会社分割を使えば、買い手が本当に欲しい部分だけを引継がせることができる、と。

 

例をあげて解説してみます。

たとえば、タクシー事業とバス事業を展開している運輸業の会社があるとしましょう。

この会社のM&Aで動き出したところ、興味を持つ相手が現れました。

しかしこの買手候補は、タクシー事業だけを欲しがっています。

バス事業は不要なので、会社全体となると買い取ることをためらいます。

 

 

(一部の事業だけ売買の例)

 

 

 

このとき会社分割を使い、タクシー事業だけを別会社にしたらどうでしょうか。

タクシー事業だけを行う会社を作り、そちらだけを売り出します。

すると買手のニーズとピッタリ合致し、M&Aを成立させることができそうです。

このような会社分割の使い方でM&Aの成功率を高めることができます。

 

 

 

 

★M&Aの買手から会社分割を提案してみてもいい

 

売り手目線で話をしてきまいたが、逆に買手から会社分割を提案することだってできます。

「会社全体は欲しくないけど、この部分だけだったら買うのに」

こんなときに、売り手に会社分割を提案してみてはどうでしょうか。

売り手はこんな手があることに気づいていない可能性があります。

それでM&Aが成立するならば、売り手にとっても悪くない話かもしれません。

 

通常のM&Aでは、売れるか、売れないかの0か100しかない世界です。

会社分割を使うことで、その中間の成果を作ることができます。

「100%は売れなくても、50%だけで売買しよう」といったイメージの選択肢を作ることが可能になります。

 

 

M&Aで会社分割が有効な具体的ケース

M&Aの場面で、どんな状況だと会社分割が有効なのかもう少し踏み込んで検討してみましょう。

 

①債務超過・負債が大きい場合

M&Aの話が進みそうだったけど、ふたを開けたら財務内容に問題があるケースはよくあります。

「借金が大きすぎるから会社を買収するのやめておいた」

こんなセリフは交渉の現場でよく聞きます。

しかし、欲しい会社だったのに負債の問題であきらめてしまうのは、本当はもったいないことかもしれません。

 

たとえば、資産が5000万円で負債が7000万円という会社があったとします。

普通に考えれば、この会社を買うのは得策ではありません。

資産よりも借金をはじめとする負債のほうが多いのですから、当然損をしてしまいます。

よほど大きな利益を手にすることが、将来的に見込まれているならば話は別ですが……

 

 

 

このケース 、会社分割を使って財務内容を整理することができます。

たとえば、資産の額と同じ分だけの負債を別会社に移し、そちらだけを売買します。

先ほどと異なり、買手が過分なマイナスを押し付けられることもなくなります。

 

「負債が残った会社はどうするんだ?」という疑問を持った方がいらっしゃるかもしれません。

するどいですね。

 

たしかに負債を抱えた会社が、先代のオーナーの手元に残ってしまいます。

この会社には負債を返済するだけの力はありません。

事業はもう買手のものです。

そうなれば破産の手続きなどに移行することになるかもしれません。

もしくは、旧会社の先代社長が分割払いで返済していく場合もあり得ます。

ただしいずれにせよ、残った会社や残った負債の整理とМ&Aとは別の話となります。

 

考えていただきたいことは、「会社がまったく売れないよりは、一部だけでも売却できたほうがメリットがないか?」ということです。

この方法は、旧会社のオーナーとしては美味しい面ばかりではないかもしれません。

しかし、そもそも会社が売れなかったら、それ以上の損害が発生してしまうことでしょう。

会社分割で、売れる部分だけでも売ったほうが、関係者の利益を最大化できる場合がほとんどです。

 

②事業をいくつか行っている場合

事業を複数行っている場合は、会社分割が力を発揮しやすいでしょう。

たとえば、レストラン事業とホテル事業の両方を行っている会社があったとします。

買手がたまたまその両方の事業を欲しいという幸運は、そうそうあり得ません。

通常は、レストラン事業か、ホテル事業のどちらか一方を欲しがるはずです。

会社分割で異なった事業を別会社に切り分けることで、会社の売却がしやすくなります。

 

③売買価格が高すぎる場合

債務超過のケースとは反対に、負債と比べて資産がかなり大きい会社もあります。

この会社を売買しようとすれば、株式の売買価格が跳ね上がります。

結果、買える相手は絞られることになるでしょう。

会社は高くなりすぎても売れないのです。

そこで、会社分割を使いコンパクトな会社を作ってみてはどうでしょうか。

事業に必要な最低限の資産だけを別会社に持ち出します。

この別会社ならば株価が下がり、買手の予算内におさまるかもしれません。

 

④手元に残したい事業や不動産がある場合

現オーナーとしては、今の会社の全てを手放したくない場合もあるでしょう。

複数の事業を行っている際に、一部はまだ自分で続けたい場合があるかもしれません。

会社で所有している不動産などの資産のうち、自分の手元に残しておきたいものがあるかもしれません。

このような手元に残したいものと、M&Aで他者に売却してもいいものを、あらかじめ会社分割で分けてはどうでしょうか。

話はよりスムーズに進みやすくなります。

 

⑤簿外債務を防ぎたい場合

M&Aで気になることのひとつに、予想外の危険の存在があります。

代表的なものは帳簿に載っていない債務でしょう。

「簿外債務」などと呼ばれています。

それ以外でも、想定外の保証債務を負っていたり、訴訟を起こされるなどの潜在的なリスクが存在していたり・・・。

会社を買う段階では見えていなかったけど、買った後にになって責任を追及されるような危険があり得ます。

そのまま会社を買えば、これらの危険も会社に付着してきます。

しかし、会社分割ならば、これらの危険をかなりコントロールして引き継ぐことが可能です。

 

⑥業界再編の場面でも

ライフスタイルやニーズの変化により市場が小さくなる。

こんなとき本来ならば、会社が統合され、供給のバランスが保たれるべきです。

特に地場産業や伝統工芸の世界などではこんな必要性を抱えているケースが多いかもしれません。

 

個々の会社単位では将来的に立ち行かなくなることが予想されていても、同業で統合すれば競争力を保てる場合があります。

しかし、いざ統合しようにも、合併を繰り返して会社をまとめるるとリスクが高まります。

吸収される会社にどんなネガティブな要素を持ち込まれるか分かりません。

こんな時にも会社分割が活躍します。

 

 

 

たとえば、瓦づくりを地場産業としていた地域があるとしましょう。

価値ある部分を一社にまとめて、この会社を生き残らせることで業界の火を消さないようにします。

各社は会社分割を使って、人や設備などの必要なものだけを切り出します。

それを一社にまとめてしまうのです。

会社分割を使うことでスピーティーかつ低リスク、低コストで業界の再編が実現します。

 

 

『М&A・会社売却』×会社分割をご検討したい方へ

M&Aの場面で会社分割を活用する方法は参考になりましたか。

なかなか優れた技だとお伝えできたと思います。

ところが、M&Aの現場では、まだまだ会社分割が使わるケースは多くありません。

 

どうしてでしょうか?

ひとつにМ&A業者の問題があります。

彼らは右から左に流せる案件を優先します。

そのほうが手っ取り早く稼げます。

また、そもそも会社分割などの手法を駆使できるノウハウは持ち合わせていないでしょう。

 

資格業の専門家をはじめとする他のプレーヤーにおいても、会社分割に精通している人材はめったにいません。

自分の専門分野に限定すればともかく、全体を取り仕切って手法を設計できるような人間になるとごくわずかになってしまうでしょう。

それを手掛けられる大手の弁護士や会計事務所となると、今度は数百万単位の費用が軽く飛びます。

 

こうった背景があります。

中小企業にとっては、奥村が会社分割とМ&Aを相談するにピッタリの相手だと考えます。

ご興味ある方はお声がけください。

 

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