『事業承継』×会社分割

会社分割を使って事業承継を乗り越える

 

会社分割を使った事業承継攻略法を解説します。

後継者の問題などで、事業承継が社会問題ともされています。

「大廃業時代の到来」と、メディアで取り上げるケースも増えています。

会社分割を上手に利用することで、柔軟な事業承継が可能となり
経営権と株式の移転がうまくいくことが十分考えられます。

会社分割を使うことで避けられる廃業が、
世の中にかなり眠っているのではないでしょうか。

 

★会社分割×事業承継の基本パターン

会社の一部分を会社分割で外に切り出してから承継させる場合の
基本モデルをまずは紹介しましょう。

既存の会社である『池袋商事』から、新設分割によって
新会社『川越サービス』を立ち上げるという例です。

池袋商事の資産は5億、負債は4億とします。

 

事業承継の場面でfig1

 

 

池袋商事から1億円の資産と9000万円の負債を切り出すとしましょう。

それを承継する川越サービスの純資産は1000万円となります。

 

一方、資産と負債を抜かれた池袋商事です。

しかし川越サービスが池袋商事の子会社となります。

そこで失った資産と負債の代わりに、
川越サービスの株式を手に入れるのです。

この例では1000万円分の川越サービスの株式を
資産として手に入れます。

 

事業承継の場面でfig3

 

会社分割によって 川越サービスが誕生しました。

一部だけを承継することでコンパクトな会社にできます。

「だからどうした?」と思われるかもしれません。

しかし、この手法や性質を工夫して利用することで、
会社分割は事業承継のいろんな場面で活躍するのです。

 

 

・会社分割で新会社を生み出す2パターン

※やや細かい話なので、急ぎの方は飛ばして読んでください!

ここでは、元の会社の子会社を生み出すかたちの会社分割
分社型新設分割)を紹介しました。

 

これとは別に、新設会社の株式を株主に持たせる
会社分割(分割型新設分割)もあります。

後者では株主名簿がコピーされるかたちとなります。

元の会社と新会社があたかも兄弟のような関係となります。

 

【分社型新設分割】

 

【分割型新設分割】

 

 

どちらを選ぶかによって会社分割の手続きであったり、
税金面で差が出たりもします。

もし会社分割で設立した新会社を売却する場合、
代金を元会社が受け取るか、
株主が受け取るかという差も生じます。

 

 

会社分割がこんな事業承継が可能に!!

 

過大な借金(債務)を避けて事業承継

不採算事業や不良資産・・・
なにもそのまますべてを承継させる必要はありません。

「借金が大きすぎて子供に継がせられない」
「負債のせいで継げない」

こんな声が現場ではよく聞かれます。

しかし、今ある会社をそのままで引き継ぐばかりが手ではないのです。

 

会社分割を使って負債をリストラしつつ、
承継しやすい身軽な会社に整えてから承継させられる可能性があります。

たとえば、先ほどの会社分割のモデルで、負債を元の会社に残し、
事業継続に必要なものだけを新会社に移してみてはどうでしょうか。

もし後継者が後者の新会社だけを事業承継したら、
内容が整理された会社でスタートが切れます。

 

重たい負債をそのまま継いで、
さらに連帯保証のリスクまで背負って事業承継をすることと比較したら、
その効果たるや絶大だと感じていただけるはずです。

 

『借金が大きくても会社分割を使って後継者が引継げる会社を作る方法』

ぜひ、知っておいてください。

過大債務(借金)を整理して事業承継

 

会社分割で兄弟それぞれに事業承継

「子供たち一人を後継者に選べない」
「兄弟が同じ会社にいたら
いつか仲たがいしてしまいそうだ」

そんな時は会社分割で2社に分けて
継がせるという発想はどうでしょうか。

「会社はひとつしかないから
後継者を一人選ばなければいけない。」

こんな発想を
「後継者の数に合わせて会社を作る」
に、逆転させてみます。

会社分割で兄弟それぞれに事業承継

 

★後継者には手に負えない会社を小分けにする

正直なところ、今の社長の力量や手腕があるから
どうにか会社が成り立ているというケースはたくさんあることでしょう。

もちろんそんな社長に代わって会社を背負える後継者なんて、
社内になかなかいません。

 

経営者だって経験を積みながら成長するもの。

今の会社は、社長の成長に合わせてできたもので、
トップの経験が乏しい後継者には荷が重たくて当然です。

後継者の力量を嘆くより、

最初から無理があったと考えるほうがいいのかもしれません。

 

ここで「会社のほうを後継者の力量に合わてみる」
と発想してはどうでしょうか。

会社を小分けにして、複数の後継者に承継させるのです。

たとえば事業部ごとを個々の会社としてしまい、
各社の事業部長を社長にしてみます。

「会社全体のことは分からないけど、
自分の部署だけならなんとか・・・」

こんなケースは少なくないと想像します。

会社分割ならば事業承継を乗り越えられるかもしれません。

【事業承継】会社分割で後継者の経営能力を補う

 

プレ事業承継で会社分割を利用

将来の社長就任を視野に、
後継者に社長業をあらかじめ経験させておくことには
大きな意味があります。

いきなりバッターボックスに立たせて
ヒットを期待することは難しいとこことです。

同様に、後継者が社長経験もないのに、
スムーズに経営できる場合は少なくて当然なのでしょう。

いくら座学を重ねさせたところで、実践に勝る学びにはかないません。

 

事業承継で、本格的に経営を引き継ぐ前から、
経営を体験させてみるという発想はどうでしょうか。

小さくてもいいので、一度会社全体を回させてみることは貴重な経験です。

なんだったら失敗してもいいのでしょう。

 

会社分割で子会社を作り、
まずはその会社の経営をさせてみるのはいかがでしょうか。

会社分割を使ったプレ事業承継の提案です。

プレ事業承継で会社分割を利用

 

不採算部門を整理して事業承継

「借金が大きすぎて子供に背負わせるには忍びない」
と気を病んでいるケースがあります。

逆に、後継者が「こんな大きな借金はとても継げない」
と腰が引けている場面もあるはずでしょう。

個人保証の問題もあり、下手に社長を継がせることは
後継者の死活問題になってしまいます。

でも、会社分割を使えば、
過大な借金がネックとなっている事業承継だって
クリアできるかもしれません。

「会社はそのまま継がせなければいけない(継がなければいけない)」
という固定概念はもう捨ててしまいましょう。

不採算部門を整理して事業承継

 

後継者が「株が高すぎて買えない」の問題

負債(借金)が大きくなりすぎて継がせられない会社のケースはお話しました。

会社分割は、逆のケースでも効果を発揮します。

 

資産が充実した会社の場合、株価が相当な金額になり得ます。

すると事業承継にあたって、会社の株式をいかに後継者へ引き渡すかが論点となります。

 

後継者が家族ならば、
相続で株式を引き継ぐ道があるのでまだましです。

(とはいえ、税金の問題があります)

もし血縁のない者が事業承継の後継者の場合はどうでしょう?

 

現社長から株を買い取らなければなりません。

しかし、往々にして価格に対する原資ががない場合が多いでしょう。

こんなときも、会社分割ならば道を拓いてくれるかもしれません。

 

「事業と資産を別の会社に分社し、事業の会社だけを後継者が買いとる」のです。

資産を残して分社をした会社の株価は低くなっているはずです。

これならば後継者でも買い取れるかもしれません。

会社分割で、
「後継者が株式を買えるように会社を再構築する」
という発想です。

後継者が「株が高すぎて買えない」の問題をクリアする

 

不動産は家族に残しつつ事業承継をする

オーナーの個人的な資産が会社の所有になっている場合。

事業は会社の後継者に継がせるものの、
不動産は家族のために遺したい場合。

こんなケースでも会社分割を利用する価値があります。

会社を分けることで、オーナー一族に遺す資産と、
事業用の資産を切り分けて
承継することができるようになります。

不動産は家族に残しつつ事業承継をする

 

 

これからの新常識!?会社は整えてから継がせる

これまで会社はそのまま継ぐのが常識でした。

事業承継が進まないことは社会問題とされていますが、
その原因の一つはここにあったのではないでしょうか。

継がせやすくするために、
『会社を整えてから手渡す』という発想がなかったのです。

しかし、分社手法を駆使すればそれは十分可能です。

そして会社にとって、
地域経済にとっても大きな意義のあるやり方だと感じます。

 

 

会社分割を事業承継に使う注意点

事業承継の場面における会社分割の効用をお伝えしてきました。

「これならば行ける!」と感じでいただけたかもしれません。

しかし、生兵法は大怪我の基。

便利な道具も使い方を誤れば損害を生んでしまいます。

利用にあたった注意点を考えてみます。

 

①生命線まで切ってはいけない

会社分割では会社を自由に切り分けることができます。

資産や負債や契約・・・を柔軟に切り分けて、
別の会社に持って行かせることができるのです。

そこで今後の事業継続のために必要なものを承継できないと、
取り返しのつかないことになってしまうでしょう。

たとえば、重要な契約や許認可等、
「これを失ったら会社を継続できない」という肝になる部分です。

視野を広くもち、
生命線となる要素まで会社分割で切ってしまわないように
注意してください。

 

②法律だけでなく税金まで検討する

会社分割を実現するには、
登記に向けた法的手続きを積み重ねていくことになります。

しかし、それだけを考えていると、
終わった後に税金で痛い目にあうかもしれません。

「課税が発生するのか、それはどれくらいの金額か」

法律だけでなく税金まで考えて
会社分割の企画を検討しなければいけません。

 

③人間感情をマネジメントする

会社分割は効果的な働きをし得るもの。

ということは、
実施したときの影響が大きいことも意味しています。

ただでさえ会社には、従業員や債権者、
取引先などの利害関係者がたくさんいます。

下手を打てば利害関係者の感情的反発を招き、
ひいては会社や社長の損害につながる恐れがあります。

相手方の感情までくみ取り、
いかに穏便に済むストーリーを作れるかが一番のポイントだったりします。

 

 

 

事業承継で会社分割を使いたい方へ

事業承継の場面における会社分割活用の可能性をお伝えしてきました。

もし、実際にこの手法を利用してみようとお考えで、
さらに「誰に声をかけていいかわからない」という場合は、
事業承継デザイナーの奥村までご連絡いただければお役に立てるかもしれません。

 

相談相手選びでご注意いただきたいことは、
資格で選ばないことです。

〇〇士だからといって会社分割を駆使できるわけでもなければ、
事業承継の世界を分かっているわけでもありません。

ましてや、社長が望むような動き方をしてくれることもありません。

 

奥村は、社長の言葉を聞き、
柔軟にプロジェクトを組み立て、一緒にゴールまで歩みます。

そんなパートナーを求める方にお声がけいただきたいと願っています。

 

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※事業承継については、奥村が運営する
『社長のやめ方.com』でも詳しく解説しています。

 

 

 

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