事業を2社に分割し、不動産事業を親族へ承継

ある設計コンサルティングの会社より事業承継のご相談がありました。

時流に乗っていて、かなり設計やコンサルティングの仕事の依頼が寄せられている会社さんです。

社長は70代に差し掛かっていらっしゃいました。

 

業務としては、設計やコンサルティングの事業と、そこから派生した不動産企画と賃貸の事業があります。

設計の業務を続けていくうちに、自らが不動産オーナーとして事業を行う機会を得たのでしょう。

リスクを負いつつチャレンジをした結果、そのチャンスをものにし、賃貸事業はかなりの規模にまで成長しています。

 

会社の全てを継がせるのも・・・

社長は自らの年齢のこともあり、次の世代へのバトンの継ぎ方を考えはじめました。

社内に血縁の人間はいません。

ただ幸い、設計の業務を継いでいけそうなスタッフは育っています。

今は営業も好調なのでその部分はスムーズに承継できるでしょう。

 

しかし、賃貸事業までその者に承継させることには、社長の気が乗りません。

こちらの事業は社長が一人で実行してきたため、設計のスタッフは関与してこなかったのです。

なのに、そのような事業まで承継してあげることに、社長は違和感を覚えたのです。

 

賃貸事業の資産は、たしかに名義上、会社の資産です。

しかし、実質は会社のものというよりは、社長の個人的な資産に近いのではないか、と。

また、大きな建物を所有しいているため、後継者の借入能力や担保の有無も問われます。

これまで雇ってきたスタッフさんには、荷が重いのも現実なのです。

銀行からの信用力不足を感じます。

 

会社分割で2社に分けて承継

このような背景のもと、今回は設計の事業と賃貸事業を会社分割で分けることにしました。

設計の事業はその事業に従事する幹部スタッフに継がせます。

一方の、賃貸事業は奥さんやお子さんに継がせ、一族のファミリー事業として承継させていくことにしたのです。

 

この方向性が定まったことで社長の違和感は解消され、気持ちよく次代への事業承継に取り組めるようになりました。

それからは、具体的な資産の切り分けをシミュレーションしたり、顧問税理士さんと税金面の問題点の検討を行いました。

 

分社の骨子が固まったところで、集会を開いて銀行の担当者招き、今回の取り組みを説明。

銀行借入に対しても十分なケアしたプランのため、異議はでませんでした。

その後、従業員への説明や官報公告を行い、会社分割の登記予定日に。

法務局に登記を申請し、無事会社を分けることができました。

約半年をかけた事業承継の取り組みでした。

 

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