分割対象の事業とは
Q.会社分割とは、会社内の事業を別会社にすることだと思いますが、この『事業』とはどのように考えればよいのでしょうか?例えば、会社に事業が一つしかなければ会社分割は使えないのでしょうか?
【解説】
事業を切り離して会社外に出すことが会社分割ですが、その『事業』自体はどうしてもあいまいとなります。
物のように、どこからどこまでがその範囲か明確なわけでもありません。また、見方によっては一つの事業でも、考え方を変えれば二つの事業にもなるのではないでしょうか。
誤解を恐れず言えば、当事者が任意で線引きをできてしまう余地が相当あるといえます。
以下、事業の考え方の例をあげてみます。
①魚と肉を取り扱っていた会社が、『魚を取り扱う事業』と『肉を取り扱う事業』と線引きして、会社分割によって2社に分割した。
②エアコンを日本全国で製造販売していた会社が、事業を『地域』で線引きし、東日本と西日本の2社分割した。
③和菓子を取り扱っていた会社を、『製造部門』と『販売部門』で線引きをし、それぞれを別々の会社にした。
さらに、会社法になってからは、「分割の対象は事業である必要がなく、権利義務でもよい」ということになりました。
そのため、例えば、事業に付随しない権利を分割対象の事業と組み合わせて新会社を作る(または承継させる)ということも可能です。
さらには、事業を分割せず、個々の権利義務やそれらをまとめたものだけを分割の対象とすることもできるのです。
以上、会社分割には柔軟性があり、ひいては利用価値が高いものだとお分かりいただけると思います。

